大手都銀、ベテラン銀行マンが、
「今回の (凄まじい) 景況は、
自分の40年のキャリアを通して、
過去一度として類を見たことがない異様な事態。」
という言葉を残して、帰っていかれた。
なるほど、なるほど.....。
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会社にほどない、近くの、
昼時、なぜか、たいていいつも、
お客さんが一杯で、賑わっている 「中華飯店」。
http://www8.ocn.ne.jp/~kouka/index.html
実は、そこの店主、わたしの中学時代の一っこ下の、
実に気のいい後輩が、夫婦で営んでいるお店なんです.....が。
先日、所用で表にでかけた帰りの、
ランチ時をすこし過ぎた、13:30をほどなく回った頃、
何か月かぶり、その 「中華飯店」 に立ち寄って、
カウンターに座って、
ランチのラーメンに舌鼓を打ちながら、
お昼のピークを過ぎてたこともあって、
カウンター越、これ又、もっとひさしぶり、
店主の後輩と、よもやま近況話をする機会に恵まれまして ・・・・
その後輩の店主の方から、
昨年の年の瀬に始まって、この年が明けてから、
月を追う毎、一段と厳しくなっていく景況について、
お客さんの具体的な来店者総数をあげた話の切り出しがあって、
更に、年明けの1月が、例年月の来店者数の1〜2割減となって、
「 うちみたいな小っさな店(食堂)で、
一旦、お客さん(来店者)を失うことは、もう致命的で、
元のお客さんの数に戻すのは、並や大抵ではできない・・・云々。」
といった非常にわかりやすい、市井の生活者に近い目線からの景況観測に、
私 (産業界) の目線とは、一味違った角度からの景況観測に、
思わず心の中で 「そうなんやぁ〜」 と感心している自分がおりまして、
そして、彼の話は、わたし的分析でいうところの、
逃げたお客さんの市場動向分析へと進展し、
私見での、公共事業や民間の不動産 (マンション等) 建設投資の減退で、
お店周辺の道路工事に始まる工事関係の、いわゆるスポットの
「工事関係のお客さんが減ったんでしょ」 とする私の無知な見立ての切り出しに、
工事関係のスポットのお客さんの増減なんてのは、全く眼中にないようで、
あっさり 「関係ないす」 って、彼に簡単に一蹴され....
工事関係のスポット顧客は、どうも浮動の来店者の数にカウントされているようで、
「 問題は、お店周辺の会社関連の、
長年お店に通ってきてくれている常連さん (リピーター) の減少です。」
と言い切られて、またまた 「へぇ〜、そうなんやぁ〜」 と感服する私がおりまして、
それら常連さんは、やはりこの景況下の残業代のカット等で、
安い仕出し弁当の方に流れだしているということ。
その分析を踏まえて、彼が採ったリピーター呼び戻しの対策として、
即2月に入ってから、
定番人気のランチを、750円から700円へと値下げを実行し、
50円の利益が減少した分の対策としては、
パート・アルバイトさんといったお客さんで賑わう、
ランチ時の臨時補充雇用の採用を見合わせ、
長年の従業員さんやパートさんと、
この火急の状況事態を十分に説明し、
心一にして、人手不足と言えども、サービスは絶対落とさないという覚悟で、
我々、産業界の表現でお許し頂くならば、
一人当たりの生産性の向上に努めて、このピンチを切り抜けようと決断。
その結果、2月は、
11月、12月と漸減し、1月でガクンと下がった来店者数に歯止めがかかり、
なんとか元の来店者数近くに回復なってきて、
なんとか暗中模索の状況から、一条の光明が見えてきたような....。
もうもう、同じ経営に携わる者として、
経営に対する重要な 「気づき」 を与えてもらったと深く感謝した次第で、
実生活に根ざした実践経営学に、
「 人間の学としての経営 」 を、
思わぬ人から、ご教示頂いたと敬服して、お店を後にした始末。
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そして、そんな彼の経営のスタンスの真骨頂がよく表われている話が、
「ランチを50円値下げしましたらね、
お客 (常連) さんが、帰りぎわ、ありがとうって言ってくれましたね、
ありがとうなんてお礼を、もったいない話、お客さんから頂戴しまして...。」
「750円をバッテンで消して、700円にしてるでしょ、
そしたら、お客さんが、この値下げ、いつまで?っておっしゃられるから、
景気が回復するまでです、って言ってさしあげましたら、
これもまた、深々とありがとう!って、もったいない話 です よ....。」
決して立地的に駅前とかっていう好条件にはない お店です。
ちょっと人通りからは、ポツンと外れた場所にある、
だから、この 「中華飯店」 が、ランチ時になると、
たいてい、いつも駐車場は一杯で、
お店の前には、自転車が駐輪場よろしく所狭しと並んで置いてあり、
味は 「うまい!」 ってうならせるというのではなく、
わたし的には 「この味、好きです」 と言う感じで.....
だから、なぜに、ここまで、いっつも繁盛しているのか、
慎に失礼ながら、ずぅーーと不思議に思っていたのですが、
今回の店主とのやりとりの、上の言葉から滲みでてくる、
店主のお客さまを満足させずには返さないという、
お客さま第一のおもてなしの信念で創る料理が、
実は、お客さまの心をとらえて離さないんだ....と、
このお店の繁盛ぶりの根っこの根っこを垣間見たような気がしました。
あらためて...... 「 マット(君)、ごちそうさでした。」 (感謝/合掌)
・ | 1956年7月28日生(A型) |
・ | 趣味:犬の飼育(ダルメシアン2頭飼育中) |
・ | 小学2年迄、大阪 |
・ | 小3から小4迄、愛知県岡崎 |
・ | 小5から現在迄、川崎 |
・ | 中学2の1970年、父/光隆が、同地にて、タラオ電機(現コムデック)創業 |
・ | 1980年から1999年 和泉電気(現IDEC)勤務 |
・ | 2001年 代表取締役就任 |